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元ブーツ屋として Archive
ブーツ修理
- 2014-09-24 Wed 00:03:39
- 元ブーツ屋として
新製品のご紹介とレースのレポートばかりだと変化が少ないので久しぶりにブーツ修理についてご紹介します。

レース会場で結構見かけるバックルやストラップ関係の破損。
ハードな使用が前提のオフロードライディングでは良くある破損状況です。
樹脂なので致し方が無いんですよね。
ところが部品があっても取り付け方が分からないと何度か相談を受けました。
基本的にガエルネの場合はビスで留まっているもの以外は引っかかっているだけなので取り付けは簡単です。

ストラップホールドを例に挙げてみます。
破損した部品をはずして(この場合すでに外れてました)画像のように新しい部品をあてがいます。
この段階で手で入る限り押し込みます。

ここでマイナスドライバーを画像のように差し込んでぐりぐりと部品を奥に差し込んでいきます。

そしてドライバーを手前に倒してパーツの留め部分を潜り込ませます。
このように樹脂の柔軟性を利用して取り付けられているんです。

ドライバーを引き抜いて取り付け完了です。
簡単でしょう?

ストラップを装着して完成です。
ブーツのパーツはいくつか会場に持参しておりますので破損した場合はご相談ください!

レース会場で結構見かけるバックルやストラップ関係の破損。
ハードな使用が前提のオフロードライディングでは良くある破損状況です。
樹脂なので致し方が無いんですよね。
ところが部品があっても取り付け方が分からないと何度か相談を受けました。
基本的にガエルネの場合はビスで留まっているもの以外は引っかかっているだけなので取り付けは簡単です。

ストラップホールドを例に挙げてみます。
破損した部品をはずして(この場合すでに外れてました)画像のように新しい部品をあてがいます。
この段階で手で入る限り押し込みます。

ここでマイナスドライバーを画像のように差し込んでぐりぐりと部品を奥に差し込んでいきます。

そしてドライバーを手前に倒してパーツの留め部分を潜り込ませます。
このように樹脂の柔軟性を利用して取り付けられているんです。

ドライバーを引き抜いて取り付け完了です。
簡単でしょう?

ストラップを装着して完成です。
ブーツのパーツはいくつか会場に持参しておりますので破損した場合はご相談ください!
ED-PROって
- 2014-08-04 Mon 10:04:13
- 元ブーツ屋として
最近色々なところでガエルネのブーツ「ED-PRO」について話題にする機会がありました。
EDって名前はやめたほうが良い、ED-CORSAはもう作らないの?などです。
ED-PROという名前については私としてはENDUROという意味ではもう無いと思ってますので止める止めないのレベルではないでしょう。車のネーミングでもトヨタのコロナマーク2がただのマーク2になったなんて例があるようにすでに記号になっていて元の意味は関係ないんじゃないでしょうか。
ED-PROの変遷については2007年11月のこの日誌でもご紹介しています。
中でも一番大きな変化はART401から402になった時でしょう。それまで革の内装だった物がファブリック内装になってブーツ自体が軽くなって履き心地が良くなった反面全体の剛性が落ちてより登山靴に近付いていきました。
当時まだ林道ツーリングブームの残り火が各地にあって、ART401がそういったユーザーに受け入れられたという実績からのモデルチェンジでした。結果としてED=エンデューロという方々にはレース用ブーツとしてもっとしっかりするべきだという要望も多くいただきましたが、販売数は右肩上がりだったためにネーミングを含めて路線の変更はなされないままです。
しかし上記の日誌でも記載しているようにART404開発時にやっぱりレースユーザーにも受け入れられるようなED-PROを作ろうというプロジェクトはありました。詳しくは日誌をご覧いただくとして、結果的にはそれがED-CORSAになったわけです。

それでこのED-CORSAですが、ご覧いただくと分かる通りフレーム部分がSG10からの流用なんですが、ブーツの丈が異なったりインステップのプロテクターが無いなどから本体への接続部はオリジナルになってます。
また元になったSG10自体が廃番になっていることもあって再生産はちょっと無理だと思います。それに新たなREAL ED-PROを作るとFASTBACKやCYPHERにブロックソールを付けたようなものになると思うんです。
今は中に人がどう感じているのか分からないんですが、私としてはブロックソール自体も一部のユーザー以外には必要性を実感されていないように感じます。絶大な支持をいただいたツーリングユーザーにとっても土踏まず部分が薄いビブラムの登山用ソールは疲れやすかったりとデメリットもあったので登山でもしない限りはフラットソールでも良いんじゃないでしょうか。
それでもブロックパターンのソールに魅力を感じている人には価格はちょっと掛かってしまいますが張替えをお奨めしています。今はビブラムのT-REXというエンデューロ向けソールがありますので、それを好みのブーツに付けることでパフォーマンスアップを計るのが得策でしょう。
しかしED-PRO ART405も発売から随分経ちますのでそろそろ次世代も計画しているはずです。それ以外にもFASTBACKも長寿ブーツになっていますのでパフォーマンスアップが期待されるところです。SG11なんていう輸入元直販限定モデルも出ていますが、やはり生粋のモトクロスブーツなので柔らかめのブーツに慣れた方にはちょっと合わないかも知れません。
今後のガエルネの動向から目が離せない時期に来ていると思います。
EDって名前はやめたほうが良い、ED-CORSAはもう作らないの?などです。
ED-PROという名前については私としてはENDUROという意味ではもう無いと思ってますので止める止めないのレベルではないでしょう。車のネーミングでもトヨタのコロナマーク2がただのマーク2になったなんて例があるようにすでに記号になっていて元の意味は関係ないんじゃないでしょうか。
ED-PROの変遷については2007年11月のこの日誌でもご紹介しています。
中でも一番大きな変化はART401から402になった時でしょう。それまで革の内装だった物がファブリック内装になってブーツ自体が軽くなって履き心地が良くなった反面全体の剛性が落ちてより登山靴に近付いていきました。

当時まだ林道ツーリングブームの残り火が各地にあって、ART401がそういったユーザーに受け入れられたという実績からのモデルチェンジでした。結果としてED=エンデューロという方々にはレース用ブーツとしてもっとしっかりするべきだという要望も多くいただきましたが、販売数は右肩上がりだったためにネーミングを含めて路線の変更はなされないままです。
しかし上記の日誌でも記載しているようにART404開発時にやっぱりレースユーザーにも受け入れられるようなED-PROを作ろうというプロジェクトはありました。詳しくは日誌をご覧いただくとして、結果的にはそれがED-CORSAになったわけです。

それでこのED-CORSAですが、ご覧いただくと分かる通りフレーム部分がSG10からの流用なんですが、ブーツの丈が異なったりインステップのプロテクターが無いなどから本体への接続部はオリジナルになってます。
また元になったSG10自体が廃番になっていることもあって再生産はちょっと無理だと思います。それに新たなREAL ED-PROを作るとFASTBACKやCYPHERにブロックソールを付けたようなものになると思うんです。
今は中に人がどう感じているのか分からないんですが、私としてはブロックソール自体も一部のユーザー以外には必要性を実感されていないように感じます。絶大な支持をいただいたツーリングユーザーにとっても土踏まず部分が薄いビブラムの登山用ソールは疲れやすかったりとデメリットもあったので登山でもしない限りはフラットソールでも良いんじゃないでしょうか。
それでもブロックパターンのソールに魅力を感じている人には価格はちょっと掛かってしまいますが張替えをお奨めしています。今はビブラムのT-REXというエンデューロ向けソールがありますので、それを好みのブーツに付けることでパフォーマンスアップを計るのが得策でしょう。
しかしED-PRO ART405も発売から随分経ちますのでそろそろ次世代も計画しているはずです。それ以外にもFASTBACKも長寿ブーツになっていますのでパフォーマンスアップが期待されるところです。SG11なんていう輸入元直販限定モデルも出ていますが、やはり生粋のモトクロスブーツなので柔らかめのブーツに慣れた方にはちょっと合わないかも知れません。
今後のガエルネの動向から目が離せない時期に来ていると思います。
軽いのはいかがですか?
- 2013-10-31 Thu 10:04:21
- 元ブーツ屋として
しかしこのブーツ(サイファー)も息が長いモデルだなぁ。
基本的な作りは97年辺りにリリースされたSKYWALKERというブーツから変わっていません。
シャーリング入れたりバックルや樹脂プレートの形状を少し変えたりはしているけど、今流行のピボットや差込で可動させる機構もついていないベーシックなブーツです。でも足に馴染み易いし軽いんですよね。
ちなみにSKYWALKERというのは1年だけ付けられた名前で、翌年からはSG-1という名前になりました。SGシリーズの元祖です。名前が変わった理由は当時教えてくれなかったけど、何処かの靴が商標登録していたんでしょう、きっと。
このSG-1がそれまでのSx-Evolutionというモデルから大きく変わったのはインサイドのプレート部分にフローティング化されたバックルです。この思想がそのまま現在も引き継がれているんですが、まだアウトサイドの樹脂プレートのくるぶし部分の補強が少なく、しかも内装を縫い付けている縫い目がくるぶし上部にあるためにここが折れ曲がって足を圧迫することがありました。サイファーになる際もこの部分の改良が重点課題だったので今はさほど気にもなりませんが、SG-1の頃はサイズ選びをミスると青あざが出来るくらい圧迫して痛くなったものです。緩いブーツを選ぶと内側に折れ曲がりやすくなるんです。
そんな感じで基本設計は古いんですが、軽くてフィット感が高いのが特徴です。
フレーム構造を採用するとどうしても重量がかさむんですよね。
ですからエンデューロなどにはお奨めです。
もっとプロテクションが欲しい人にはFASTBACKをお奨めしていますが、初めから日本人向けにモデファイされているサイファーはふくらはぎの収まりを気にする方などに自信を持ってお奨めしています。
GAERNEブーツについてはこちらをご覧ください。>>>

基本的な作りは97年辺りにリリースされたSKYWALKERというブーツから変わっていません。
シャーリング入れたりバックルや樹脂プレートの形状を少し変えたりはしているけど、今流行のピボットや差込で可動させる機構もついていないベーシックなブーツです。でも足に馴染み易いし軽いんですよね。
ちなみにSKYWALKERというのは1年だけ付けられた名前で、翌年からはSG-1という名前になりました。SGシリーズの元祖です。名前が変わった理由は当時教えてくれなかったけど、何処かの靴が商標登録していたんでしょう、きっと。
このSG-1がそれまでのSx-Evolutionというモデルから大きく変わったのはインサイドのプレート部分にフローティング化されたバックルです。この思想がそのまま現在も引き継がれているんですが、まだアウトサイドの樹脂プレートのくるぶし部分の補強が少なく、しかも内装を縫い付けている縫い目がくるぶし上部にあるためにここが折れ曲がって足を圧迫することがありました。サイファーになる際もこの部分の改良が重点課題だったので今はさほど気にもなりませんが、SG-1の頃はサイズ選びをミスると青あざが出来るくらい圧迫して痛くなったものです。緩いブーツを選ぶと内側に折れ曲がりやすくなるんです。
そんな感じで基本設計は古いんですが、軽くてフィット感が高いのが特徴です。
フレーム構造を採用するとどうしても重量がかさむんですよね。
ですからエンデューロなどにはお奨めです。
もっとプロテクションが欲しい人にはFASTBACKをお奨めしていますが、初めから日本人向けにモデファイされているサイファーはふくらはぎの収まりを気にする方などに自信を持ってお奨めしています。
GAERNEブーツについてはこちらをご覧ください。>>>

ブーツのチェックをお忘れなく
- 2013-10-28 Mon 20:35:04
- 元ブーツ屋として
ここでは口を酸っぱくするくらい何度もお伝えしているブーツの手入れについてですが、注意喚起も兼ねて再度ご紹介します。
オフロードブーツと泥汚れは切っても切れない仲です。
さらさらの泥から足が重くなるくらいねっちょりと絡みつく泥まで様々です。
一日走って汚れたブーツはまず泥汚れを落としてあげましょう。
洗車の時に一緒に洗車機を当ててしまっても良いですし、流水で洗ってあげても良いでしょう。
昔のブーツや現行でも一部のエンデューロブーツではまだ本革を使用しているのであまり高圧洗車は好ましくないのですが、現行のモトクロスブーツは大部分が合成皮革や樹脂なので構わず洗ってしまって大丈夫です。
当店で扱っているTK1 SUPERWASHで一気に綺麗にしてしまいましょう。
擦らなくてもきれいになるTK1はブーツ洗浄にも最適です。
また、洗う時にソールやバックルの状態を確認しましょう。
ソールが変なふうに減っていたり、欠けていたり剥がれたりしていないか、そしてバックルやストラップも緩んだり切れかけてないかなどを重点的にチェックしましょう。
特にソールは乗り方の癖などで特定の部分が減ったりしますので念入りにチェックしてください。
バックルもねじが緩んでいたりします。各パーツが小さいので充分なネジ長を稼げないなど理由は様々ですが、振動の多い場所なので緩みとの縁は切れないでしょう。

あとは風通しの良い所で陰干ししてあげれば完了です。
オフロードブーツと泥汚れは切っても切れない仲です。
さらさらの泥から足が重くなるくらいねっちょりと絡みつく泥まで様々です。
一日走って汚れたブーツはまず泥汚れを落としてあげましょう。
洗車の時に一緒に洗車機を当ててしまっても良いですし、流水で洗ってあげても良いでしょう。
昔のブーツや現行でも一部のエンデューロブーツではまだ本革を使用しているのであまり高圧洗車は好ましくないのですが、現行のモトクロスブーツは大部分が合成皮革や樹脂なので構わず洗ってしまって大丈夫です。
当店で扱っているTK1 SUPERWASHで一気に綺麗にしてしまいましょう。
擦らなくてもきれいになるTK1はブーツ洗浄にも最適です。
また、洗う時にソールやバックルの状態を確認しましょう。
ソールが変なふうに減っていたり、欠けていたり剥がれたりしていないか、そしてバックルやストラップも緩んだり切れかけてないかなどを重点的にチェックしましょう。
特にソールは乗り方の癖などで特定の部分が減ったりしますので念入りにチェックしてください。
バックルもねじが緩んでいたりします。各パーツが小さいので充分なネジ長を稼げないなど理由は様々ですが、振動の多い場所なので緩みとの縁は切れないでしょう。

あとは風通しの良い所で陰干ししてあげれば完了です。
ブーツは永く
- 2013-06-14 Fri 23:46:01
- 元ブーツ屋として
なんか最近値上げとか面白くも無い(かも知れない)レポート関係だけで書いてる自分がつまらないので、久しぶりに靴の話を。
モーターサイクル用のブーツを購入したのはバイクに乗り始めて少し経ってから。
当時はRG250γが市販車で出たりNS500がWGPを席巻(実際はケニーのYZRと互角)していたりとモーターサイクルブーム全盛だったんですが、貧乏学生だったので安売りのSIDIを買ったような気がします。(もう30年近く前なので朧げ)確かフレディー・スペンサーがチャンピオンを獲った時期なのでそれにあやかったトリコロールカラーだったと思います。
きっと大量仕入れしてもはける時代だったのでその売れ残りだったんでしょうね。あまり高かった記憶はありません。その後オフに転向しても今度はXLR250R(h)というバイクを切っ掛けにした林道ブームに乗って装備品は比較的安く購入できました。
そんな時にショップで見かけたガエルネのオフブーツは52,000円という他のメーカーと比較しても1万近く高いブーツでした。(ショックを受けたので金額を忘れなかったくらい)
今にして思うとオフブーツは当時よりも安くなっているんですよね。為替も関わるんでしょうけど、物価の上昇を差し引くとやはり当時のブーツって高かったと思います。
で、今は2万円台から色々選べるわけなんですが、価格相応っていう言葉はブーツでも例外じゃありません。基本的に掘り出し物は無いと思って良いです。
メーカーも製品を一から自社工場で生産する方式から、簡単な作業(樹脂パーツの縫いつけとか簡単な縫製)は人件費の安い地続きの隣国で行うなどコストダウンに余念はありませんけど、基本的に良い物を企画して生産するというノウハウに掛かるコストは削減しづらいので独自のアイデアとか履き心地のよさなど品質の良い物の価格は下げようがありません。
ですからガエルネやSIDIって高いよね~、もっと安くて良いのがあるよね。
と言われるとちょっと悲しくなります。(ホントはカチンときますけど。)
確かに安くても履き心地の良い物は出てきました。
でも永く履く事を考えるとお奨め出来ません。修理できなくて捨てるしかないのも多々あります。
私が以前勤めていたブーツの輸入をする会社は開発にも深く関わっていたんですが、修理をする際にどうすれば良いかという事も開発時から模索し提案していました。デザインが良くて機能も良くても1シーズンで駄目になるブーツは売りたくないという信念を持っていたからです。
ブーツはマシンと同じで消耗品です。経年劣化でフィーリングが悪くなったり、性能が落ちることがあります。
ヘルメットのように何年で寿命なんて話を出来れば簡単なんですが、保管状況と履く頻度で差が出るので一概に何年って言えないのも困った所です。昔は脱いだ時にくるぶしから折れ曲がってしまうようになったら寿命とか言われたときもありますが、今は樹脂パーツが多くてそんな風に折れ曲がるのは皆無です。(もしそうなったら寿命はとうに超えてます)目安は擦れ以外で縫製がほつれ出したり、樹脂が崩壊し始めたら寿命って事くらいでしょうか。
でもヘルメットと違ってブーツは修理する事で性能をある程度戻すことが出来ます。
もっとも修理して初期状態に近い性能を保てるようにしたいという理念を持ったメーカーはなかなかありませんし、面倒なので日本の輸入元もそこまでフォローしてくれるのは極一部です。
ですからブーツを大切にしたいと思うなら、迷わずガエルネをお奨めします。他のメーカーでも修理してくれる所はありますし、修理専門の頼れるショップもありますが、パーツの供給から修理の方法までニューモデルの発表前から考えてるメーカー(輸入元)はなかなかありません。
そんなメーカーや輸入元の活動を理解してくれるユーザーが増えたせいか最近のエンデューロ会場では圧倒的にガエルネが優勢です。
初期投資は厳しいかも知れませんが、是非ガエルネを履いてみてください。
きっとご満足いただけると思います。

モーターサイクル用のブーツを購入したのはバイクに乗り始めて少し経ってから。
当時はRG250γが市販車で出たりNS500がWGPを席巻(実際はケニーのYZRと互角)していたりとモーターサイクルブーム全盛だったんですが、貧乏学生だったので安売りのSIDIを買ったような気がします。(もう30年近く前なので朧げ)確かフレディー・スペンサーがチャンピオンを獲った時期なのでそれにあやかったトリコロールカラーだったと思います。
きっと大量仕入れしてもはける時代だったのでその売れ残りだったんでしょうね。あまり高かった記憶はありません。その後オフに転向しても今度はXLR250R(h)というバイクを切っ掛けにした林道ブームに乗って装備品は比較的安く購入できました。
そんな時にショップで見かけたガエルネのオフブーツは52,000円という他のメーカーと比較しても1万近く高いブーツでした。(ショックを受けたので金額を忘れなかったくらい)
今にして思うとオフブーツは当時よりも安くなっているんですよね。為替も関わるんでしょうけど、物価の上昇を差し引くとやはり当時のブーツって高かったと思います。
で、今は2万円台から色々選べるわけなんですが、価格相応っていう言葉はブーツでも例外じゃありません。基本的に掘り出し物は無いと思って良いです。
メーカーも製品を一から自社工場で生産する方式から、簡単な作業(樹脂パーツの縫いつけとか簡単な縫製)は人件費の安い地続きの隣国で行うなどコストダウンに余念はありませんけど、基本的に良い物を企画して生産するというノウハウに掛かるコストは削減しづらいので独自のアイデアとか履き心地のよさなど品質の良い物の価格は下げようがありません。
ですからガエルネやSIDIって高いよね~、もっと安くて良いのがあるよね。
と言われるとちょっと悲しくなります。(ホントはカチンときますけど。)
確かに安くても履き心地の良い物は出てきました。
でも永く履く事を考えるとお奨め出来ません。修理できなくて捨てるしかないのも多々あります。
私が以前勤めていたブーツの輸入をする会社は開発にも深く関わっていたんですが、修理をする際にどうすれば良いかという事も開発時から模索し提案していました。デザインが良くて機能も良くても1シーズンで駄目になるブーツは売りたくないという信念を持っていたからです。
ブーツはマシンと同じで消耗品です。経年劣化でフィーリングが悪くなったり、性能が落ちることがあります。
ヘルメットのように何年で寿命なんて話を出来れば簡単なんですが、保管状況と履く頻度で差が出るので一概に何年って言えないのも困った所です。昔は脱いだ時にくるぶしから折れ曲がってしまうようになったら寿命とか言われたときもありますが、今は樹脂パーツが多くてそんな風に折れ曲がるのは皆無です。(もしそうなったら寿命はとうに超えてます)目安は擦れ以外で縫製がほつれ出したり、樹脂が崩壊し始めたら寿命って事くらいでしょうか。
でもヘルメットと違ってブーツは修理する事で性能をある程度戻すことが出来ます。
もっとも修理して初期状態に近い性能を保てるようにしたいという理念を持ったメーカーはなかなかありませんし、面倒なので日本の輸入元もそこまでフォローしてくれるのは極一部です。
ですからブーツを大切にしたいと思うなら、迷わずガエルネをお奨めします。他のメーカーでも修理してくれる所はありますし、修理専門の頼れるショップもありますが、パーツの供給から修理の方法までニューモデルの発表前から考えてるメーカー(輸入元)はなかなかありません。
そんなメーカーや輸入元の活動を理解してくれるユーザーが増えたせいか最近のエンデューロ会場では圧倒的にガエルネが優勢です。
初期投資は厳しいかも知れませんが、是非ガエルネを履いてみてください。
きっとご満足いただけると思います。

増し締めしてます?
- 2013-05-08 Wed 12:33:31
- 元ブーツ屋として

何度かこの日誌でもご紹介しましたが、ブーツのネジは本当に緩みやすいので注意が必要です。
現在のオフロードブーツにはバックルが不可欠です。
そのバックルはレバーを除く本体部分のほとんどが樹脂製で、軽さと強度のバランスが良い事から代わる物が見当たらない状況です。全部金属にすると重くなるんですよね。
しかし樹脂は長いスパンで考えると固体よりも液体に近い性質で、変形するのが当たり前になっています。
ですからビスで固定する事に無理があると思って下さい。そうすれば色々なトラブルを回避出来ます。
さすがに有名処のトップモデルでは樹脂パーツを金属製のカラーやフランジも無しに固定することはしないと思いますが、コストや製作上の制約などで充分なトルクが掛け辛い構造の物も少なくありません。
また低価格ブランドや廉価版の場合は樹脂部分にトルクが掛かるものもあって、そうなると緩むのは必至です。
それでなくてもステップからの振動を一番最初に受ける部分なので定期的な増し締めは行ってください。
当店では出荷時にビスの増し締めを行っていますが、こんな理由から定期的なチェックをお勧めしています。
ブーツ修理
- 2012-09-10 Mon 23:31:16
- 元ブーツ屋として
GAERNE ED-PROやトライアルブーツはくるぶし部分がフレームと擦れて破損する場合が結構あります。

こうなってしまうわけです。まだ穴は開いていませんが、泥や水分が付着したまま使用するとあっというまに穴が開いてしまいます。
屈伸するたびにしわが寄ってその部分が強く擦れ合って破損するわけです。
トライアルブーツは本体のシンセティックレザーが柔軟なために特にこの症状がすすみやすいようです。

そこでこんな当て革を施しました。<ジャペックスサービスセンター特製>
出来るだけ動きを阻害しないようになっています。
これはトライアルブーツですが、ED-PROでも同様の加工は出来ます。

先日つま先から剥がれてしまうという場合はタッピングビスで留めると良いというのはこういう事です。
新しいガエルネのトライアルブーツはこんなパターンなのでビスの頭が飛び出てしまうこともありません。
修理に関してもお気軽にご相談下さい!

こうなってしまうわけです。まだ穴は開いていませんが、泥や水分が付着したまま使用するとあっというまに穴が開いてしまいます。
屈伸するたびにしわが寄ってその部分が強く擦れ合って破損するわけです。
トライアルブーツは本体のシンセティックレザーが柔軟なために特にこの症状がすすみやすいようです。

そこでこんな当て革を施しました。<ジャペックスサービスセンター特製>
出来るだけ動きを阻害しないようになっています。
これはトライアルブーツですが、ED-PROでも同様の加工は出来ます。

先日つま先から剥がれてしまうという場合はタッピングビスで留めると良いというのはこういう事です。
新しいガエルネのトライアルブーツはこんなパターンなのでビスの頭が飛び出てしまうこともありません。
修理に関してもお気軽にご相談下さい!
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