- 2008-11-13 Thu 05:22:06
- 元ブーツ屋として
オフロードを初めて走る際に真っ先にお薦めするのはブーツです。
ヘルメットはロード用でも最低限の機能は持っていますが、ブーツだけは他のカテゴリーと違った機能を要求されるからです。
■では、お薦めのブーツは何?
ブーツのレーシングサービスをしていたり店頭販売のお手伝いをしていた頃から色々な方にいただいているのがこの質問です。
そのメーカーのトップモデルがその人にお奨めモデルというわけでは無く、そのブーツのキャラクターを熟知した上で使い方に合ったブーツを選ぶことが肝心です。
まずオフロードブーツに求められる機能とはなんでしょう。
1.プロテクション
2.操作性
3.ビンディング効果
1.プロテクション
これは言うまでもなく足を守る機能です。オフロードの場合は転倒する危険性が高いためにこのプロテクション能力がブーツの優劣を決定づけるといっても過言ではありません。
転倒の場合はバイクと路面に足を挟まれたり、足首をひねったりしますので主に足首周りのプロテクションが肝心となります。
また飛び石などから足を守るためにほとんどのメーカーはすね部分にプレートを装着しています。これが各社の個性を主張する場にもなっているわけです。
またブーツ全体の剛性が縦の衝撃を吸収してくれるお陰で大きなジャンプの着地でも足を痛めないようにしています。
2.操作性
オフロードブーツといってもブレーキやシフトの操作は重要です。ロードよりもより低い速度でロックするリアタイヤは微妙なコントロールが必要ですし、シフト操作もしっかりとこなさなければなりません。
しかしプロテクションを高めるために足首周りを補強するとこの操作性が著しく落ちる場合が多いのがオフロードブーツの難しいところです。
ジャンプの着地を考えて剛性が上がっているとまたこの操作性が下がってしまいます。
またソールの厚さもステップからの入力を敏感に感じるためには重要な要因です。
しかし薄すぎるソールは怪我をしやすいだけでなく、疲れやすくもなります。実はこの部分がブーツ選びでとても難しい課題になります。
■相反する条件をバランスさせる
このような相反する条件をどの位置でバランスさせるかがオフロードブーツメーカーの腕の見せ所です。
操作性を極限まで上げた物がトライアルブーツになり、プロテクションを最大限に高めている物がスーパークロスなどで使用されるモトクロスブーツのハイエンドモデルになります。
しかしどちらも高い次元でバランスさせつつ特化した部分を出す事が難しいところでもあります。
プロテクションのみ追求すればギブスのようなブーツになりますし、操作性だけを追求すればゴム長靴のようなブーツになってしまうでしょう。
そのために新素材を多用したり、インナーブーツやピボットシステムなどを取り入れてその両方を追い求めているのです。
3.ビンディング効果
これはあまりポピュラーな表現ではありませんが、10数年ブーツに関わってきた私なりの理論です。
人間の足には片足で大小合わせて26個の骨があります。左右で52個です。骨の総数が206個だそうですから約1/4は足に集中している計算になります。
ですから腱も複雑に絡んでいますし、筋肉も体重や歩行の衝撃を吸収するように張り巡らされています。
また足首も歩行に最適化されているために複雑な動きをします。
ところでオフロードバイクに乗るときはシッティングですか?スタンディングですか?
スタンディング時には足はたくさんの役割を担っています。
・体重を支える
・加減速に耐える
・路面からの衝撃を吸収する
・ペダル操作をする
・左右のバランスを取る
・コーナーリングの切っ掛けを作る
シッティングの時でも軽減されますが、ほぼ同じ種類の仕事をこなしています。ただ腰が役割を分担してくれるのでスタンディングより楽なだけです。
ハンドル操作よりもステップ加重が重要な要素になるオフロードライディングで足はこんなにたくさんの事をこなしているのです。
ではブーツはこの作業に対してどのようなサポートが可能でしょうか。
・衝撃から足を守る
・筋力を補助する
・間接の動きを適正化する
衝撃から足を守るためにはブーツ全体の剛性を上げることと足とフィットするような構造にすることで、筋力の補助はソールのフレックスや足首の剛性を調整することで行います。
では間接の動きの適正化はどのように行うのでしょう?
そもそも適正化とは?
<その2につづく>
ヘルメットはロード用でも最低限の機能は持っていますが、ブーツだけは他のカテゴリーと違った機能を要求されるからです。
■では、お薦めのブーツは何?
ブーツのレーシングサービスをしていたり店頭販売のお手伝いをしていた頃から色々な方にいただいているのがこの質問です。
そのメーカーのトップモデルがその人にお奨めモデルというわけでは無く、そのブーツのキャラクターを熟知した上で使い方に合ったブーツを選ぶことが肝心です。
まずオフロードブーツに求められる機能とはなんでしょう。
1.プロテクション
2.操作性
3.ビンディング効果
1.プロテクション
これは言うまでもなく足を守る機能です。オフロードの場合は転倒する危険性が高いためにこのプロテクション能力がブーツの優劣を決定づけるといっても過言ではありません。
転倒の場合はバイクと路面に足を挟まれたり、足首をひねったりしますので主に足首周りのプロテクションが肝心となります。
また飛び石などから足を守るためにほとんどのメーカーはすね部分にプレートを装着しています。これが各社の個性を主張する場にもなっているわけです。
またブーツ全体の剛性が縦の衝撃を吸収してくれるお陰で大きなジャンプの着地でも足を痛めないようにしています。
2.操作性
オフロードブーツといってもブレーキやシフトの操作は重要です。ロードよりもより低い速度でロックするリアタイヤは微妙なコントロールが必要ですし、シフト操作もしっかりとこなさなければなりません。
しかしプロテクションを高めるために足首周りを補強するとこの操作性が著しく落ちる場合が多いのがオフロードブーツの難しいところです。
ジャンプの着地を考えて剛性が上がっているとまたこの操作性が下がってしまいます。
またソールの厚さもステップからの入力を敏感に感じるためには重要な要因です。
しかし薄すぎるソールは怪我をしやすいだけでなく、疲れやすくもなります。実はこの部分がブーツ選びでとても難しい課題になります。
■相反する条件をバランスさせる
このような相反する条件をどの位置でバランスさせるかがオフロードブーツメーカーの腕の見せ所です。
操作性を極限まで上げた物がトライアルブーツになり、プロテクションを最大限に高めている物がスーパークロスなどで使用されるモトクロスブーツのハイエンドモデルになります。
しかしどちらも高い次元でバランスさせつつ特化した部分を出す事が難しいところでもあります。
プロテクションのみ追求すればギブスのようなブーツになりますし、操作性だけを追求すればゴム長靴のようなブーツになってしまうでしょう。
そのために新素材を多用したり、インナーブーツやピボットシステムなどを取り入れてその両方を追い求めているのです。
3.ビンディング効果
これはあまりポピュラーな表現ではありませんが、10数年ブーツに関わってきた私なりの理論です。
人間の足には片足で大小合わせて26個の骨があります。左右で52個です。骨の総数が206個だそうですから約1/4は足に集中している計算になります。
ですから腱も複雑に絡んでいますし、筋肉も体重や歩行の衝撃を吸収するように張り巡らされています。
また足首も歩行に最適化されているために複雑な動きをします。
ところでオフロードバイクに乗るときはシッティングですか?スタンディングですか?
スタンディング時には足はたくさんの役割を担っています。
・体重を支える
・加減速に耐える
・路面からの衝撃を吸収する
・ペダル操作をする
・左右のバランスを取る
・コーナーリングの切っ掛けを作る
シッティングの時でも軽減されますが、ほぼ同じ種類の仕事をこなしています。ただ腰が役割を分担してくれるのでスタンディングより楽なだけです。
ハンドル操作よりもステップ加重が重要な要素になるオフロードライディングで足はこんなにたくさんの事をこなしているのです。
ではブーツはこの作業に対してどのようなサポートが可能でしょうか。
・衝撃から足を守る
・筋力を補助する
・間接の動きを適正化する
衝撃から足を守るためにはブーツ全体の剛性を上げることと足とフィットするような構造にすることで、筋力の補助はソールのフレックスや足首の剛性を調整することで行います。
では間接の動きの適正化はどのように行うのでしょう?
そもそも適正化とは?
<その2につづく>
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