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ED-PRO

ED-PRO CORSAの予約が締め切られました。
このブーツのコンセプトはズバリ『REAL ED-PRO』

良い機会なので歴代のED-PROについて考察してみます。
こんなにも日本に根付いたブーツは今までも、そしてこれからも出ないかも知れません。

ちょっと長いので暇なときにでも読んでください。
 
ED-PROという名前はもう10数年前から使われている。
・ART401
このモデルが初代ED-PROである。その頃日高のエンデューロで有名だった「谷地」でちゃんとバイクを押せるブーツというのが開発の切っ掛けだったそうである。
当時はポピュラーだったが今では懐かしい紐締めのブーツだった。
ベースモデルはSX-PRO。くるぶし部分のパッドを無くして足首の動きを良くしたのがソール以外での大きな相違点であった。
この時期にSX-PROにビブラムソールを付けただけの「6days」というブーツを海外でも見かけることが出来たようだが、その後ビブラムラグソールを用いたブーツはワールドワイドモデルから姿を消すことになる。
ビブラムソール装着モデルが日本の特殊事情が反映されたブーツだということの証明である。
ちなみにこのart401には前期モデルと後期モデルが存在し、ベルクロストラップの固定方法が微妙に異なる。本来紐締めのためにシンプレートは軽く固定すれば良いだけだったが、しっかりと固定したいユーザーが引っ張りすぎて樹脂製のフックリングを壊す場合が有ったからだと聞く。当然すぐに対策がなされ、樹脂から金属製のリングに変わった。
この当時からふくらはぎ問題が浮上し始め、ロングタイプのフックリングが存在していた事はあまり知られていない。

・ART402
このモデルではちゃんとした内装を使うという今では当たり前の事が命題とされた。
事実それまでは革製の堅い内装が主流で履き慣らすまで少々時間が掛かる物が多かった。402ではファブリック内装を使用しフィット感を飛躍的に向上させた。
ちなみにこのモデルからブラウンが登場するが、これが大ヒットして最長半年待ちという事態に陥った。今までにない色のためにGAERNE側の生産能力とシッピングの関係で修正に時間が掛かったからだ。オーダーから3ヶ月しないと入荷しないのにその間にバックオーダーで売り切れてしまったのである。
またこのモデルから日本国内でふくらはぎの拡張サービスが開始された。
膝下の短い日本人はふくらはぎの太い部分がブーツ内に入ってしまうためにふくらはぎの拡張が必要な場合があったからだ。
この時、この拡張サービスに予想を超えるオーダーが入り、後のモデルに多大な影響を与えることになった。

・ART403
これのコンセプトは「日本向け」であった。
それ以前から輸入元ではユーザーからの意見を組み入れるシステムを作り色々なユーザーの要望を集めていた。
それによる意見と、art402で行った拡張サービスの反響からふくらはぎの調整機構を組み込むことでユーザーの負担を減らそうという結論に達し、わざわざ日本向けにパーツの開発までさせて作ったのがこの403である。
これは日本専用モデルとしてイタリアのラインナップから完全独立した記念すべきモデルである。
デザインは全て日本で行い、モックアップを作ってイタリアで製作するという日伊の合作である。余談だが本来このような経緯で作られたモデルだから正規品以外は流通しないはずだが、日本でこんなに売れているのだから他の国でも売れるのではないかとGAERNEがテスト販売した物が少数流通したようだ。
「6days」の事を考えると少々不可解だがアジア地域の市場もその時に比べると活性化しているので新たな市場を切り開く為に行ったのではないだろうか。
何にしても開発の手間を考えるとこういった三国経由の並行物が流通することには日伊両スタッフが心を痛めたのも分かるだろう。しかし急激なインターネットの普及には為すすべが無かった。GAERNEもそのことは認めていて並行輸入を抑えることは不可能だと匙を投げていた。
話は戻るが403はその独特のふくらはぎ調整機構が快適なブーツ装着を諦めていた人に朗報となり爆発的に大ヒットした。
反面大人しい外観はコンペ志向のライダーには少し物足りなさを感じさせていたようである。

・ART404
本題のart404は軽量化と少し地味すぎると言われていた部分の修正を行っている。
今市場で目にすることの出来る404は403までの進化の流れを受け継いだ正常進化版のED-PROである。しかしこれとは別に開発コンセプトを「REAL ED-PRO」としたモデルも存在した。
以前から本格的なレースで使うには足首廻りのプロテクションが弱いとの指摘が有った。中には某トップEDライダーのようにED-PROを履き続ける人も居たが、彼とて動きはこのままでプロテクションが高くなれば言うこと無いと言及していた。
このようなサポートライダーの要望もあって開発したブーツは、サンプル段階からクオリティーが高くSG-10とED-PROの中間的な位置づけでこのままリリースしても良いと思ったそうである。
しかし1号サンプルは403に比べて明らかに重かった。当時リリース直前だったSG-10が片足2kgあり、その軽量化に腐心していた時期だからそのパーツを流用したサンプルが重かったのも致し方がない。
その後数回のサンプル製作を経て軽量化が進み、色サンプルまで製作した段階で幾つかの問題が指摘された。
403までの一連のED-PROは明らかにツーリング志向へと傾いていた。またそれがこのブーツのキャラクターの立っている部分でもあった。しかしこのREAL ED-PROはそのコンセプトを初代art401の頃の「レースでの必然から発生したブーツ」に立ち戻らせた物だった。
そこで果たしてユーザーが求めている物はこれなのだろうかという疑念が生まれた。
また重量の問題も完全に解決してはいなかった。
この頃この案と同時進行でED-PROのツーリングモデルも開発が開始されていた。ふくらはぎ拡張のシステムなどで増加した重量を極限までダイエットしたタイプだ。その軽さは403をも凌ぐ物だった。

結局少々開発期間が短かったがこのツーリングED-PROをart404として採用し、REAL ED-PROは残された課題を解決しつつ市場の動向を探ることとなった。
ART404は市場に出てから多少の不具合を耳にしたが、GAERNEの努力で少しずつ改良されて今に至っている。

・ED-PRO CORSA
REAL ED-PROはすでに開発の大半が終了しており、量産のための課題を幾つか残すだけになった。しかし如何せん403の所でも触れたがこのED-PROは他国では流通していない日本オリジナルである。量産の為のコストを日本国内だけで回収せざるを得ず慎重に事を運ばなければならなかった。

そして紆余曲折を経て限定モデルとして市場に姿を現すことになった。このモデルはこんなブーツが欲しいというユーザーの意見を輸入元とGAERNE社が受け取った結果出来たブーツである。
その性能は日本に特化しており、また受注輸入という形式上、並行輸入などでは決して手に入れることの出来ないスペシャルモデルである。
今後カタログモデルになるかは輸入元の考え次第であると思うが、初代モデルを購入した方々がそろそろ買い換えを考えるであろう来年辺りがこのモデルの転機だと私は考えている。しかしそれもベースモデルのED-PRO次第だろう。 レギュラーモデル化も考えられるからだ。

いつかは出るであろうこのART405(仮称)がどのような形で出てくるか。それがCORSAの発展型か、それともART404の流れを汲むのであろうか。
ART404は2005年2月の発売だから来年で4年目になる。モデルチェンジのサイクルから考えるとそれは1,2年のうちにはっきりするであろう。
もっとももし新しいED-PROがCORSAの発展型になるにしても売れ筋のART404のようなツーリングに使えるモデルをばっさり放棄するとは考えられないのでその時はツーリングタイプのED-PROが派生するのかも知れない。ED(エンデューロ)の名称がどちらに相応しいかを考えると色々難しそうだ。
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