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元ブーツ屋として Archive

エンデューロソール

エンデューロに向いたブーツってどんな物を思い浮かべますか?

真っ先に思い浮かべるのはブロックソールを装着したガエルネのED-PROでは無いでしょうか。
しかしこのED-PROはレース用としては少々物足りないというのは今も昔もユーザーの方から良く聞くご意見です。

プロテクションが心許ないのもそうなんですが、長時間乗るためのブーツとしては些か外れたソールを装着していたからです。
そしてそれを補うスペックを擁してリリースされたのがビブラム社のT-REXというエンデューロソールです。
当店では取り扱いが無いので詳しい話は避けますが、そもそもブロックソールって必要でしょうか?というのが今回のお題です。

edsole.jpgビブラムが世に送り出した最高傑作の一つモンターニュ。
これをオフロードブーツに装着したのがガエルネのED-PROです。
当時日高の谷地(沼)でバイクを効率よく押すためのブーツを、というコンセプトで日本のジャペックスが主導で開発されたオフロードブーツのヒット商品です。(海外には基本的にはありません)

しかしED(エンデューロ)という言葉がいつからか一人歩きしてしまった感もあって、モトクロス場を使用するようなエンデューロでも使用されたりしてプロテクションに対する不満も噴出してきました。

ここからは私見ですが、日本のエンデューロでブロックソールがあって助かったと思うのは相当ハードなレース以外には無いと思います。
そもそもブロックソールはグリップが良い反面、地面を良く噛むので粘る泥の場合はどんどん貼り付いて高下駄のようになる場合もありました。
ですから私は適度な自由度があればモトクロスブーツの方がエンデューロにも向いていると考えています。

そんな観点からはガエルネのFASTBACK(ファストバック)が最適なブーツの一つに挙げられます。

でも古くからのED-PROユーザーやわざわざブロックソールに張り替えて使っていたユーザーの方々は滑る路面での安定が悪いと思われる事でしょう。
そんな時はブーツのコバ(下の赤い矢印が指す部分)をスキーのエッジのように路面に刺すようにして使うと意外にしっかりとグリップしてくれます。

koba.jpgところがこのコバはブーツの製法が徐々に変わるにつれて無いモデルも増えてきました。
ガエルネではまだ日本に入ってきていませんが、コバの無い接着式のソールを採用しているブーツがあります。
有名なTECH何とか(すみません、扱いが無いので…)も一部モデルはキャップソールにしてしまい、このコバがありません。
一見すると水が入りにくくなるんじゃないかとか動きやすそうでエンデューロにも良いんじゃないかと思われますが、一部の方はソールの底面が丸みを帯びているような印象があって落ち着かないとも言います。
それはコバが有るタイプはその分底面が広いのでステップに乗っていても左右の安定感に差が出るためだと思われます。また前出のようにエッジを立てて滑りやすい路面で踏ん張るという使い方も出来ません。これが意外に重要で、私がお邪魔する印西デコボコランドでもコース上に立てない時があるくらいです。

最終的には参加するレースのキャラクターや自分の好みで選ぶ事になると思いますが、ソール一つとっても履き心地を大きく左右するのでしっかりチェックして下さい。

悩んだときはアドバイスもさせていただきますのでお気軽にご相談下さい。
お待ちしています。

たまには確認

ライディングギアで高価な物と言えば真っ先に挙がるのがブーツとヘルメットでしょう。
そのブーツですが、マシンとの接点でもあるので色々な情報をライダーに教えてくれます。
それは乗っている時ばかりではなく、お手入れをしている際にも確認出来ます。

sole01.jpgこれは私のブーツのソールです。
一見すると分かりますが、右足側が変にえぐれている以外は異常な摩耗はありません。
右足の摩耗はキックスタートする際にステップをけ飛ばしているからです。

エンジンスタート時には気を付けないとすぐにここだけえぐれてしまいます。
最近多く見掛ける2stマシンユーザーの方は気を付けてください。

あとはブレーキペダルが当たる部分が少し削れているのですが、その量はわずかなのでまだ気にする必要は無さそうです。例えばこの部分が端だけ削れている場合はブレーキング時に足がハの字に開いている可能性があります。基本的にはつま先は真っ直ぐ前を向いた方が良いはずなのでつま先を意識して乗った方が良いかも知れません。

あとは土踏まずの部分ですが、1年以上使っているのにほとんど摩耗していません。これはジャンプを余りしないというのが関係していると思いますが、ガエルネのソール自体の耐久性が高いせいでもあります。
以前の職場にいた際に高濱龍一郎選手から突然電話が来たとき。
「ブーツからカチカチ音がするんです」
カチカチ山の寓話か?と真っ先に思ったんですが、話を聞くと着地の際にブーツからカチカチ音がしてうるさいので直して欲しいとのことでした。

勘のいい方ならもうお分かりだと思いますが、ステップでソールをえぐってしまい、ミッドソールも突き抜けてスチールシャンク(ソールの柔軟性をコントロールする鉄板)まで穴が開いていました。そのためステップが当たってカチカチいっていたのです。

しかし何がカチカチだよと思う前に驚いたのが、綺麗にステップの形状に開いた穴でした。
ステップに足を置く位置がほとんど変わらないためにその部分だけ削れて穴が開いているのです。穴が開いている部分以外はほとんど傷らしい傷が無かったのをはっきりと憶えています。

練習量もさることながら正確なステップワークはライディングの基本なんだなと思った出来事です。
高加重の掛かるジャンプの着地でへんな所でステップを踏むと足首にショックが加わって怪我の原因にもなります。
高濱選手ほど正確でなくても良いとは思いますが、いろんな所に傷が入っていないか掃除がてら眺めてみては如何でしょう。自分のライディングの癖を少し教えてくれると思います。

それと破損を早く知ることで修理費も抑えることが出来ますよ。

ブーツのトウキャップ

ブーツは高価な物ですが、地面に近い部分に晒されているために破損が多いのが泣き所です。
それでも各社破損しやすいパーツを販売していたり、修理体制を整えていたりしますので壊れたからと言ってすぐに捨ててしまうような事態にはなりません。

特にガエルネは修理パーツの豊富さとサービス工場を持つことから長い間安心して履けるメーカーです。
エンデューロライダーに好評なのは履き心地や性能だけでなくこんなサポート体制も要因だと思います。

破損と言えば良く聞くのはバックルやストラップの破損紛失。
そしてトウキャップの破損や紛失です。

steel_toe[1]
これがトウキャップ。
つま先金具やスチールトウ、など様々な呼び方をされていますが、要するにつま先を守る金具です。

実はこれ、輸入関税にも関わる重要なアイテムでして、昔の革製のモトクロスブーツはこれがあると関税の節約が出来る場合があります。実際にはいくつかの項目をクリアする必要があるのですが、その一要素になっていました。
具体的にはこんな感じで金属製のトウキャップが有る物は別分類になっています。
実際には解釈の相違などもあるので(兎に角細かすぎて税関の職員でも分かりにくい場合がある)トウキャップがあれば優遇関税という訳ではないんですが。

そんな色々な意味で大切なトウキャップですが、やはり本来の役目を果たすと破損したり脱落したりします。
そのためほとんどのメーカーはリプレイス用のパーツをリリースしています。
破損しやすいだけに少し価格も低めに設定してくれていますが、それでも出来るだけ破損させないようにしたいものです。

DSC_9674.jpg
例えば靴底を見るとこんな風に泥や砂、小石などがトウキャップの中に入り込んでいる場合があります。
モトクロス用の平底の場合はちゃんと装着されていればそれほど多くは無いのですが、エンデューロ底と言われるブロックパターンの底の場合はここにどんどん異物を噛み込んでいって終いにはトウキャップを押し上げて外してしまいます。
出来ればハードな走行の後はこの部分に異物が挟まっていないをチェックして下さい。

日頃のチェックでブーツはぐんと長持ちします!

部品は載っていませんがガエルネ製品はこちらをご覧下さい。>>>

部品の手配に関してはメールかFAXでご連絡いただければお答えいたします。
e-mail:info@mcgear.net
FAX:047-705-5576

濡れたブーツ

昨日濡れてしまったブーツをドライヤーで乾かしているというのをツイッターで見掛けました。
濡れてしまったブーツをそのまま履くのは不快ですからそうしたくなるのはよく分かるのですが、ブーツの素材によっては決定的な破損を招く場合があります。

2年ほど前にもご紹介しているのですが、レザーボードという素材を中底(フッドベット)に使っている場合はこれが急激に乾く際にひび割れて破損してしまうのです。

早く乾かしたい場合は垂れるくらいの水分を逆さに干すなどして早めに切ってあげて、新聞紙や吸水性の高い布などを押しつけて吸い取りましょう。当然それくらいでは乾きませんので、ドライヤーの送風を使って空気を循環させてあげると少しは早く乾くでしょう。といっても一晩じゃ乾かないと思いますが。

最近のブーツは内装にファブリック(布製)を使用する物が多いのでなかなか乾かないんですよね。

本来は2~3日放置しないと乾かない物なので、連日レースの場合などは出来れば替えのブーツを用意すると良いのですが、無理な場合は靴の中敷きのスペアを用意すると履き始めの不快感は低減されるはずです。

メーカーによっては標準装備のインナーソールを別売している所もありますのでご相談ください。

厚底ブーツ

オフロードバイクは車高が高いので着こうと思った足が空振りして立ちゴケなんて事は誰でも経験があると思います。トレールバイクでも性能と足着きの良さはある程度トレードオフのようで高性能車ほど全般に足着きは良くないようです。

ブーツ関係の仕事をしていた時も年に何度か足着きが良くなるような加工は出来ないかと相談を受けたことがあります。中には具体的にソールを厚底にして欲しいというものもありました。
当時は工場で対応が出来なかった事もあって実際に加工をしたことはありませんが、それでなくてもシフトがしにくくなるなど弊害も考えられたのであまり積極的にお奨めはしませんでした。

最近身近なライダーが2名ソールを厚底にしたのですが、その人が言うにはデメリットも有るが、それでも安心感の方が捨てがたいという話を聞きました。

2011-09-17.jpg
こんな風になります。
2cmくらいの増しでしたら若干シフト操作がしづらいようですが、ペダルのセッティングと慣れでカバーできそうです。
少ないと思われるかも知れませんが、借りて歩いた時に結構変わったのに驚きました。

興味がある方はご相談ください。

ブーツのソールが剥がれちゃった…。そんな時に。

先日某社のブーツのソールが剥がれたので貼り直せないかとの問い合わせをいただきました。

オフロードバイクブームの頃は結構貼り付けを端折るメーカーもあったようでレース会場でスリッパ宜しくパカパカとソールを引きずって歩く人を見掛けたものですが、最近は何処もしっかり貼り付けているのであまり見掛けません。
ロードの話ですが、以前はアスファルトの熱でソールが剥がれてしまい、歩いている間に全部剥がれて足跡みたいに路面に残されていたなんて事もあるくらいです。(うちの取り扱いメーカーじゃありませんよ。)

接着不良の原因はソールの下処理不足がほとんどです。
ソールは型から外すために剥離剤が塗ってあります。この剥離剤がしっかり除去されていないと接着剤が上手く乗らずに剥がれてしまうのです。
剥離剤の除去は薬剤ではなく、表面を削ぎ落とす事で行います。
当然その分手間が掛かるのでコストのために手抜きをしたり端折られたりするようです。
sole.jpg
これは以前伺ったジャペックスサービスセンターでの作業です。

話を戻して、剥がれてしまった場合の対処方法をご紹介します。

ある程度使い込んだソールの場合は迷わずソールの交換をお奨めします。
ただ、上記のような手抜きでの剥がれや高温に晒されたために剥がれた時などはソールの貼り直しも可能です。
ソールの劣化(劣化は期間よりも環境で進むのでその都度工場で判断が必要です)が無ければ貼り直しはメーカーによりますが交換の7~8割の価格で出来ます。
え?高いって?
そうなんです。ソール交換はソール単体の値段よりも工賃の方が高いんです。
通常の靴に比べて過酷な環境で使われますので下地処理もしっかりしなければなりませんし、圧着もしっかりと行いますので一日に処理できる本数も少ないためです。

でも長く使うためにはある程度の出費は致し方がないですよね。

ところで、ソールが剥がれちゃったけど明日使いたいなんて事もありますよね。
そんな時は応急処置としてタッピングビスで留めてしまうのも手です。
結構剥がれてしまった場合はボンド(コニシボンドG17など)を薄く塗ってから圧着して、その上からタッピングビスでバンバン留めましょう。出来るだけ端に打つと良いんですが、ミッドソールがあまり破損するとその後の修理が出来なくなりますので注意してください。そして貫通して怪我をしないように注意しましょう。
少し浮いてきた程度の場合は2~3本打っておくと剥がれが進行しづらくなります。
どちらにしても使用し終わったら早めに修理工場に送ってください。

防水モトクロスブーツって出来ないんだろうか。

モトクロスやエンデューロはもちろん、セクションの下見で歩いて川を渡る事もあるトライアルにもあまり防水タイプというのは見受けられません。
私が以前勤めていた会社で輸入していたブーツも当時はロードツーリング用以外は製品としてはありませんでした。

確かに試作では何度かお目に掛かった事があるのですが、市販品として日の目を見ることは有りませんでした。ヘビーデューティーな使用条件の中では耐久性や性能が市販レベルまで上げられなかったのが主な理由だったと思いますが、営業サイドから見ると「防水」という物に対しての日本人の認識とイタリア人の認識に差が有りすぎるために出してくれなくてホッとしたというのも正直なところでした。

というのも、日本では防水というと「必ず水が入らない」という物ですが、ヨーロッパでは「静止していれば水が入らない」程度に考えるメーカーもある(そのブーツメーカーの事じゃありません)のです。日本で100%防水というとどんな条件でも水が漏らないという事(当然ですよね)ですが、ヨーロッパの防水素材の中には水圧が掛かると染み込む物もあったようです。特にライディングウェアなどは風圧も掛かるので徒歩などで使うレインギアよりも過酷になるためです。ですから安易に100%ウォータープルーフなどと書いている海外のメーカーは信頼の置けるブランド以外はちょっと怖くて手が出ません。

件のブーツメーカーもツーリングブーツでしたら問題無い製品が作れてもハードユースのオフロードブーツにはなかなか採用できなかったようです。今でこそトライアル用には一部採用されていますが、1足のブーツを何年も使う事を考えるとどれくらい性能が維持できるのかちょっと興味のあるところです。シフト操作にブレーキング、それを泥や埃の中で何度も繰り返すというブーツにとってはこれ以上ないほど過酷な条件で使われているからです。
まだ日本には入っていないようですが、耐久性が確保されていたとしたら凄い事だと思います。ただし、価格もそれに見合って高くなりますので気軽に泥沼に足を踏み入れることが出来なくなるかも知れませんが。

ところで当時ゴアテックスなどで有名なゴア社は、認定をした工場(アパレルメーカーなどの工場)で製作したアイテムについては、不良品が出た場合には引き取るという話でした。ただしイタリアでは一ジャンルに対して一メーカーの認定だったので残念ながらアルパインスターズ以外はゴアを使う事が出来ませんでした。しかし、蛇の道は蛇で、同業他社でも同等の性能を持つシームテープとそれを貼り付ける機械を持った工場で防水ブーティー(靴の内装)造っていたようです。当然ながらそれを使用してブーツを製作して万一不具合が出ても買い取り保証はありませんが。

そんな苦労の末に防水ブーツを造るシステムを整えたとしても、繊細な防水ブーティーを靴の内部に仕込むのは容易ではありません。そもそも靴の製作時には引っ張ったり伸ばしたりという作業が必ずあります。その時に防水ブーティーに負荷が掛かると破損してしまう可能性が高くなるからです。レインパンツなどでもシートと擦れる部分の防水が一番最初にダメになるように摩擦や引っ張りには弱いのです。

ですからもし今後防水仕様のモトクロスブーツが出たとしてもその価格に驚かないでください。それだけの技術が詰まっているのですから。

ということで、防水のブーツは取り扱っていませんが、ウェア類は多少ですがあります。
ラフアンドロードレインウェア>>>

これは防水ウェアというよりは「雨の日に濡れても快適に走れるレインギア」という感じです。
ファーストレーシング レインオーバージャージ>>>
サイドに配されたメッシュのお陰で激しい運動でも熱気がこもることなく走ることが出来ます。

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